01はじめに
(用語解説)

02法人化を考える
ことになったとき

03NPOの
運営・人材について

04NPO資金の種類と
資金調達方法

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NPO運営のイロハ

NPOということばは近年多くの人に知られるようになりましたが、本当に身近になったかというとそうでもないかもしれません。
NPOの運営となると馴染みのある方はさらに減るのですが、東日本大震災以降、社会貢献に関心を持つ方が増え、ボランティア活動やNPO、社会的企業に関わりたいという声も多く聞かれるようになりました。
ここでは、そうした「NPO(=非営利の活動)やその運営」に焦点を当て、先行文献のほか、当社の経験を踏まえ、将来に向けた思いを込めて、これからこの世界に一歩踏み出そうとする人に関連することを簡単に説明したいと思います。
関連の書籍もたくさんにありますので、それらを片手に気になる言葉から読み進めていただけたらうれしいです。

関内イノベーションイニシアティブ
株式会社

※本ページは、神奈川県委託事業平成28年度ボランタリー団体成長支援事業の一環で作成したものです。

※NPOに関連することばとして、「ボランティア(活動)」「ボランタリー活動」「民間非営利組織」「社会的企業」「ソーシャルビジネス」「コミュニティビジネス」などがあります。ここでは、利益の追求よりも組織の目的達成を追求する組織を「NPO」として統一して説明します。

01.はじめに

「NPO」「営利・非営利」「一般社団(財団)法人」「企業組合」などのことばの説明をします。

Q1.NPOとは何ですか?

NPOとは、英語でNon-Profit organizationの略で、「民間非営利組織」と訳されます。より具体的には、政府(国や自治体)に属さず、利益があがっても配当等により構成員(出資者、株主等)に分配せず(なお、利益を給与等の形で職員へ支払うことは可能)、組織の目的の達成のための費用に充てること、社会に対して事業主体としての責任が果たせる体制があり継続的に存在するものということができます。
NPOには広い意味では、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人、任意団体、ボランティアグループなどが含まれます。その中で、特に、特定非営利活動促進法に基づいて、特定非営利活動を行うことを主たる目的として設立された法人を「特定非営利活動法人(NPO法人)」と呼びます。

神奈川県では、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする非営利の民間の自主的な活動(宗教、政治、選挙活動を除く)」を「ボランタリー活動」と位置づけ、そのような活動に取り組む特定非営利活動法人、法人格を持たない団体及び個人を「ボランタリー団体等」としています。 なお、平成28年12月の条例改正により平成29年4月から、「ボランタリー団体等」の範囲が拡大され、一般社団法人や一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人が追加されることになりました。
【参考】
神奈川県「ボランタリー団体等と県との協働の推進に関する条例について」
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6187/
神奈川県「かながわボランタリー活動推進基金21条例」
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6187/p1103396.html

Q2.営利と非営利の違いは何ですか?

「営利」とは、利潤を追求した事業を行い、事業を通じて得られた利益を配当などの形で出資者や株主などの構成員へ分配することをいいます(※ここでいう利益とは、何らかの事業活動を通じて得られた収益から人件費などの経費を差し引いたものを指します)。
「非営利」は、事業で得られた利益を配当などの形で構成員に分配せずに、得られた利益は活動の継続のために充当されることを指します。

非営利の事業だからといって、利益を上げてはいけない、あるいは利益は得られなくても良いということではありません。非営利組織であっても、利益を得られなくては、必要な資金が得られず、活動の継続はできません。そのため、営利・非営利どちらであっても、適正な利益の確保は事業運営上、重要な問題になります。
なお、NPO法人の場合、解散時に残った財産(残余財産)は、定款に規定したNPO法人や公益社団・財団法人、学校法人などのほか、国や地方公共団体に帰属することになっています。

Q3.「公益」「共益」「私益」「公共」、それぞれの意味は何ですか?

「公益」とは、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」の第2条第4項を踏まえれば、「不特定かつ多数のものの利益」のことを指します。社会全般の利益というとわかりやすいかもしれません。
また、「共益」とは、ある組織の構成員や、共通の利害関係者のための利益を意味しています。同窓会や管理組合をイメージされるといいでしょう。
一方、「私益」とは、一個人や1つの組織・グループのための利益のことです。
公益と似た用語として、「公共」という言葉があり、これは社会一般のことを意味しています。

Q4.法人格とは何ですか?

法人とは、自然人以外で権利や義務の主体として認められるものをいいます。各種の法人法によって、ふさわしい実体に対して法人格(権利能力)が付与されます。現在の法人制度でそのような実体の基礎とされるのが人の集団(社団)または財産(財団)とされています。
団体が法人化すると、法的・社会的な位置づけがなされ、団体が契約や委託の主体となり、対外的な信用も得られやすくなります。その一方で、法律に則った届出や報告、法人としての納税義務などが生じます。
既存の活動団体を法人化する場合、何のための法人化なのか、法人格取得後に団体をどのように運営していくか、事業展開をどうしていくのか、メンバー間で話し合われることが重要です。

Q5.一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、それぞれの違いは何ですか?

社団・財団のタイプとして、税制面での優遇がない半面、事業内容に制限がない一般社団法人・一般財団法人と、税制面が優遇される半面、事業内容や残余財産分配に制限がある公益社団法人・公益財団法人があります。一般社団法人と一般財団法人の共通点は設立が比較的簡単であること、相違点は財団法人の場合、設立時に一定額の財産拠出(300万円以上)が必要であるのに対し、社団法人は不要であることが挙げられます。公益社団法人と公益財団法人は、一般社団法人・一般財団法人のうち、公益認定基準を満たす法人として認定されたものです。公益社団法人・財団法人に移行するには、行政庁(内閣府又は都道府県)に申請を行ない、公益法人として認定を受けることが必要になります。

Q6.企業組合とは何ですか?

企業組合とは、4人以上の個人が集まり新たな事業体を組成し、一緒になって事業を行なうことで事業体としての発展を目指すものです(法人も組合員になることは可能)。株式会社のように営利を追求することを最優先するのではなく、企業組合組成に参加したメンバー(以下、組合員)が働いて報酬を得る労働分配を目的としています。また、組合員の議決権は平等(1人1票)のため決議が組合員の多数決で決定される人的な結合体であり、メンバー同士の人的なつながりを重視する組織体です。設立には行政による認可が必要であり、認可申請が求められる反面、集合体として事業を行なうことで、お互いの強みを結集することによる事業機会の拡大につながります。
【参考】
新潟県中小企業団体連合会「企業組合とは」
http://www.chuokai-niigata.or.jp/seturitu/setueitu4/index.html
神奈川県中業企業団体連合会『活用しよう!企業組合制度』
https://www.chuokai-kanagawa.or.jp/www/association/pdf/kigyo_kumiai.pdf

02.法人化を考えることになったとき

活動が広がって今まで以上に支援者や協力者を募ったり、自治体や企業から仕事を依頼されるようになったら、法人化を検討する時期なのかもしれません。

Q7.法人化の時期はいつがいいのですか? 法人格はどのように選択するのがいいのでしょうか?

関内イノベーションイニシアティブ株式会社(当社)の支援実績からいえば、組織の法人化は、年間予算規模が300万円を超え、事務局スタッフを1名以上雇用する段階で検討するのがいいと考えます。ただし、事業の相手方である自治体や企業から、上記の規模に達する前に個人ではなく法人としての関わりを求められる場合もあるので、実際にはケースバイケースといえます。
例えば、社会貢献に重きを置いた企業を立ち上げる場合、設立手続きの手軽さから、株式会社や合同会社、一般社団法人を選択するケースが多くみられます。NPO法人は設立に際し所轄庁による認証に時間を要することや、意思決定のしくみなどの観点から、司法書士などの専門家によっては別の法人格の取得を勧められるケースも多いようです。しかし、専門家の助言を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
もっとも助成金や補助金を当てにして法人を立ち上げるケースは少ないと思いますが、神奈川県や横浜市では、NPOやNPO法人への支援策が手厚いので、事業展開の方向性によってはNPO法人を選択した方がメリットが大きいこともあります。
いずれにしても、法人格の取得自体は、書類要件を整えて、必要な経費を用意すれば比較的簡単に行うことができます。しかし、法人格の選択は、上記のように事業開始後の組織運営に大きな影響を与えます。事業内容や将来像を踏まえ、しっかりと情報を収集し、じっくり進めることが重要です。

Q8.NPO法人のメリットは何ですか?

NPO法人は公益法人の一種なので、税制上の優遇措置があります。会費収入や寄付金収入は非課税、法人登記時ならびに変更登記の登録免許税も非課税です。ただし、NPO法人への寄付者は、寄付先のNPO法人が「認定」NPO法人であれば税制優遇が適用されます(認定NPO法人については、Q15参照)。そのため、外部からの寄付が受け入れやすくなりますが、認定NPO法人としての認定を取得し、認定を維持し続ける事務量や経費(書類作成やそれにかかる人件費)は運営に大きくのしかかってくるので覚悟が必要です。
また、一定の要件を満たせば、一般社団法人であっても非営利型法人として税制優遇を受けられますし、公益社団法人の要件を満たせば、より一層の税制優遇を受けられます。その一方で、公益認定を受け、その認定を維持し続ける事務量や経費は一般社団と比較して大きくなります。

Q9.私はソーシャルビジネスを立ち上げたいと考えています。どういう法人格を選ぶのがいいのでしょうか。

あなたの周りをみてみると、「ソーシャルビジネス(ここでは、社会的企業や社会起業家も含むこととします)」という言葉の認知度や認識は、それぞれの家族・友人が置かれている状況や、これまで携わった仕事などによってさまざまであることがわかると思います。東日本大震災以降、一段とソーシャルビジネスに対する関心の高まりが見られるものの、社会全体としてみれば、ソーシャルビジネスについてよく知っているという人はまだまだ少数ではないでしょうか。
現在、ソーシャルビジネスの事業主体は、NPOやNPO法人に限らず、個人事業主、株式会社、合同会社、一般社団(財団)法人、企業組合などさまざまです。それは、国内では、制度として社会的企業やソーシャルビジネスに関する明確な定義がないというのが背景にあると考えられます。
類似の組織体との境界があいまいで、社会的企業そのものの事業の守備範囲が広いことが制度上の位置づけを難しくしている原因のひとつだと考えられます。ただ、ここ数年、政府では社会的事業法人の新設について検討が重ねられているので、法制度上で社会的企業の位置づけが明確化される日も近いかもしれません。

03.NPOの運営・人材について

定款をつくる際の留意点、役員の役割、理事会と事務局の関係、会員制度のあり方などについて解説します。
また、NPOにとって良い人材の確保は大事なことであり、またその管理の視点も欠かせません。新しい働き方に注目が集まる中、NPOに関心を持つ人の層が厚くなってきていますが、組織運営者として意識すべきことを記しました。

Q10.NPO法人の定款を作成する際に、どのような点に気をつけるとよいですか?

NPO活動を行うために何らかの法人格を取得する場合、法人運営の最も基本的なルールとなる「定款」を定める必要があります。インターネット上には、さまざまな法人格の定款のひな形(モデル定款)が掲載されているので、一通り見てみることをお勧めします。
しかしながら、ネット上に掲載されているひな形を使用する際には、いろいろと注意する必要があります。
例えば、NPO法人の運営方法については、いわゆる「総会主導型」と「理事会主導型」の2種類があります。法人の解散・合併や定款変更などは総会で決めることですが、事業計画の立案・決定や会費額の決定、理事・監事の報酬などについては、総会で決めるか、理事会で決めるかを定款上で選択することができます。
上記のような重要事項について、すべて総会での議決事項とすれば民主的な法人運営と言えるかもしれませんが、合意形成や意思決定に時間がかかり、迅速な事業活動に支障が出る可能性もあります。定款を作成する際には、公開されているひな形などをそのまま使用するのではなく、法人設立後の運営のあり方を見越した内容の検討を行うことが重要です。

Q11.NPO法人の役員について教えてください。また、役員は給与を受け取ることはできるのですか。

NPO法人の役員には理事と監事があり、理事を3人以上、監事を1人以上置くことが必要となります。理事は法人の重要業務を決定する役割を担い、監事は理事の業務執行状況や法人の財産の状況を監査します。
NPO法人の理事・監事に対する役員報酬は、役員総数の1/3以下という規制があります。つまり、役員が4名であれば内1名が役員報酬を受け取れ、役員が6名であれば内2名が役員報酬を受け取ることができます。役員報酬とは、役職に対して支払われるものです。
一方、NPO法人では、役員といえども、例えば事務局の職員を兼務するなど法人に対して自ら労務を提供するところが多いです。この際、労務提供の対価として給料を受け取ることは、役員報酬に当たりませんので注意してください。
なお、役員についても実質的に労働者としての地位を有している場合には、労働保険・社会保険の対象となります。代表理事については、社会保険は対象、労働保険のうち労災保険は特別加入手続きを行なった場合のみ対象となり、雇用保険は対象外となります。
【参考】
「特定非営利活動促進法のあらまし」(平成24年2月)」
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/201204_pamphlet.pdf
内閣府「特定非営利活動法人制度のしくみ」(平成24年2月)
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/201204_leaflet.pdf
内閣府「NPO法Q&A」
https://www.npo-homepage.go.jp/qa
神奈川県「サポートセンターFAQ労務」
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f100183/p28237.html#11
【参考文献】
『NPO法人の設立と運営Q&A』清文社
http://amzn.asia/fgCKfjK
三木秀夫・田中祥雄・岡村英恵・中務裕之・荒木康弘・長井庸子著 / 2009年

Q12.理事会と事務局の関係はどうなっているのですか? 代表者の役割とは何ですか?

多くのNPO法人では、理事会とは別に実務を管理する機関として事務局が設置されます。組織として円滑に運営がなされているNPO法人では、代表者、理事会と事務局が役割分担し、それぞれの職務をスムーズに実施しているケースが多く見られます。
具体的には、代表者は組織の顔として主にNPO法人の重要な業務である対外的業務(人脈・スキルを生かして仕事を作る、情報発信する、資金調達をする等)に従事し、事務局は事業活動を円滑に行なうために不可欠である組織マネジメントの中心として力を発揮するというように、両者がいわば車の両輪として機能することで組織発展につなげています。理事会は組織の重要事項を討議・決定する場として位置づけられます。理事に組織外部者を登用することで、客観的な視点を取り入れ理事会の議論を活性化する効果があります。

Q13.会員制度をつくる際に、気をつけた方がいいことは何ですか?

例えばNPO法人においては、設立時に「社員」が10人以上存在していなければなりません。この社員は、総会での議決権を持つ法人の構成員で、いわゆる「正会員」と呼ばれているケースが多くあります。
また、NPO法人によっては、「正会員」以外の形態の会員種別を設定しているところもあります。それらの名称の設定に決まりはありませんが、「賛助会員」「学生会員」「ボランティア会員」などの呼称が多く、また、法人が提供するサービスの受益者を「サービス利用会員」としている場合もあります。それぞれの会員種別に応じて入会金や会費も「正会員」とは異なる金額とする法人も多数あります。
会費収入は法人の重要な収益源であり、会員制度は、法人や活動に対するさまざまな支援意向や活動に対する共感の受け皿としてきめ細かく設定することが重要です。
なお、会員種別のうち「正会員」や「サービス利用会員」からいただく会費の額が、社会通念に照らして高額な場合には、NPO法人の認証申請時に問題となる可能性もありますので注意してください。
なお、正会員としての入退会の申し出があった場合、基本的には法人側がそれを制限することはできません。ただし、合理的な理由があれば、入退会に一定の条件を付すことが可能です。

Q14.NPO法人にかかる税金について教えてください。会費や寄付金には課税されるのでしょうか。寄付者に対する税制優遇はあるのでしょか。

NPO法人の資金調達手段の一つに、外部者(個人・法人)からの寄附が挙げられます。NPO法人のうち特に公益性が高いとみなされた認定NPO法人に寄附を行なった際には、寄附者に対する税制上の優遇措置が設けられています。
個人が認定NPO法人に寄附をすると、所得税(国税)の計算において寄附金控除(所得控除)又は税額控除のいずれかを選択できると共に、個人住民税(地方税)の計算において寄附金税額控除が適用されます(※1)。
また、法人が認定NPO法人に寄附をした場合には、一般寄附金とは別枠の損金算入限度額が設けられており、その範囲内で損金算入が認められます(※2)。
これらの仕組みによって寄附者側に減税のメリットが発生することになり、認定NPO法人が寄附による資金調達を行なうことを意図した制度整備が行なわれています。
また、認定NPO法人は「みなし寄附金制度」を活用できます。みなし寄附金制度は、収益事業に関する資産のうちからその収益事業以外の事業で特定非営利活動に係る事業に支出した金額は、その収益事業に係る寄附金とみなされ、一定の範囲内で損金算入が認められます(※3)。
(※1~※3 出所:『特定非営利活動法人制度のしくみ』(内閣府大臣官房市民活動促進課、平成24年3月))
【参考】
○内閣府『特定非営利活動法人制度のしくみ』
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/201204_leaflet.pdf

Q15.認定NPO法人とは何ですか?

NPO法人は、一定の基準を満たし所轄庁(都道府県又は政令指定都市)からの認定を受けることにより認定NPO法人になることができます。認定NPO法人となることで、その法人に対して寄附を行なった個人・法人へ税制上の優遇措置が適用されることになり、寄附を集めやすくなります。認定NPO法人になるための一定の基準とは、パブリックサポートテストに適合すること(3,000円以上の寄附者が年間100人以上存在すること、総収入に占める寄附金収入の割合が5分の1以上であること、自治体の条例で個別指定を受けていること)のほか、運営組織や経理、情報公開が適正であること事業活動の内容が適正であることなどが求められます。
平成28年のNPO法改正(平成29年4月1日施行)により、認定NPO法人に関する取り決めも一部変更になっています(役員報酬規程等の備置期間の延長、仮認定NPO法人の名称変更等)。
認定NPO法人の要件は公益法人と比較すると実質的にやや厳しいと感じられると共に、認定に必要となる事業年度もやや長いこともあり、認定NPO法人の数は非常に少ない状況にあります。
【参考】
内閣府「特定非営利活動法人制度のしくみ」
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/201204_leaflet.pdf
内閣府「認定制度について」
https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo-kisochishiki/ninteiseido
内閣府「特定非営利活動促進法の一部を改正する法律 概要」
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/20160617-kaiseihou-1.pdf
内閣府「公益法人制度とNPO法人制度の比較について」
http://www.cao.go.jp/others/koeki_npo/koeki_npo_seido.html

Q16.法人税法上の収益事業とは何ですか。

法人税法上の収益事業とは、次に挙げる34種類の事業を、継続して事業場を設けて営むことをいいます。
(1)物品販売業 (2)不動産販売業 (3)金銭貸付業 (4)物品貸付業 (5)不動産貸付業 (6)製造業 (7)通信業 (8)運送業 (9)倉庫業 (10)請負業 (11)印刷業 (12)出版業 (13)写真業 (14)席貸業 (15)旅館業 (16)料理飲食業 (17)周旋業 (18)代理業 (19)仲立業 (20)問屋業 (21)鉱業 (22)土石採取業 (23)浴場業 (24)理容業 (25)美容業 (26)興行業 (27)遊技所業 (28)遊覧所業 (29)医療保健業 (30)技芸・学力教授業 (31)駐車場業 (32)信用保証業 (33)無体財産権の提供業 (34)労働者派遣業

NPO法人は、税法上の収益事業から生じた所得に対して課税されます。
NPO法人は本来事業(NPO法11条に規定されている定款に記載された目的を達成するための事業)とその他事業(NPO法5条により本来の事業に支障がない限り行うことのできる本来の事業以外の事業)を分けて会計処理することになっています。
納税する際は、本来事業およびその他事業のうち、税法上の収益事業に該当する事業を切り取って会計し、利益があればそれに対して課税されます。

Q17.NPOが行政委託を受けるメリットとデメリットについて教えてください。

NPO法人などにおいては、行政による支援が十分に行き届かない問題への対応や通常の市場メカニズムから排除された人への支援を活動領域としている場合が多く見られます。NPOは、行政のカウンターパートとして独自性と自立性を持って、社会の中で見落とされがちな問題に対する政策提言などの活動を行うことが期待されます。
一方で、NPOの多くは資金面の問題を抱えており、活動資金を行政からの助成金や業務委託費などに依存している団体も少なくありません。行政からの委託事業が増加すれば、事業運営の安定化は図られるかもしれません。しかし、資金という重要な資源を依存する結果、事実上、行政の「下請」となってしまい、法人の独自性や自立性、存在意義が損なわれてしまうというリスクもあります。行政委託への取組みにあたっては、他の収入源とのバランスや自立性を確保する方策などを団体内で検討することが必要となります。
なお、行政委託が「協働」と呼べるかどうかという点については、さまざまな議論があります。以下のURLをご参照ください。
【参考】
神奈川県「ボランタリー団体等と県との協働の推進に関する条例」
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f6187/
横浜市「市民協働推進部ホームページ」
http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/tishin/jourei/
日本NPOセンターホームページ「行政と協働するNPOの8つの姿勢」
http://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=457

Q18.任意団体には納税義務はあるのですか?

税法において任意団体は、一定の要件を満たす場合、「人格のない社団」として法人とみなされます(法人税法第3条)。任意団体が人格のない社団に該当するかどうかの判定基準は以下の通りです(法人税法基本通達1-1-1ほか)
 1.代表者や管理人が定められていること
 2.単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有していること
 3.統一された意志の下に活動を行うものであること
人格のない社団が、①収益事業(法人税法施行令第5条に列挙されている34業種)を②継続的に③事業場を設けて実施している場合(①②③のすべてが該当する場合)には、法人税が課されると考えられます(法人税法第4条、法人税法第2条13号)。

Q19.スタッフの人件費についての考え方で気を付けるべきことは何ですか。

NPO法人などの活動において、ボランティアスタッフの熱意に頼った運営には一定の限界があり、顧客から求められるサービスを安定的に供給していくためにはスタッフを雇用し賃金を支払うことが必要となります。事業規模の拡大に伴い有給スタッフを確保する必要性が生じる場合、経営的な観点からは、有給スタッフに支給する個々の賃金及び賃金総額の上限を、収益力とのバランスを考えて慎重に見極めていくことが必要です。一方、法令遵守の観点からは最低賃金額(時間単位)以上の賃金をスタッフに対して支払うことが法人の義務です。例えば神奈川県の最低賃金(平成28年10月1日改正)は1時間あたり930円です。スタッフの賃金が最低賃金以上かどうかを確認するには、月給や日給であっても時間単位に換算して最低賃金と比較します。詳細は厚生労働省HP「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」参照してください。
【参考】
厚生労働省「最低賃金額以上かどうか確認する方法」
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm

Q20.スタッフの解雇について、どうすべきか悩んでいます。

解雇とは、使用者からの申し出による一方的な労働契約の終了をいいます。解雇は使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできません(労働契約法第16条)(※1)。そのほかにも、就業規則への解雇事由の記載や、少なくとも30日前に解雇予告を行なわなければならない等、使用者側に遵守義務があるルールが多く存在します。
期間の定めがある労働契約(有期雇用契約)においても、使用者側の一方的な都合によって、期間途中で解雇したり、(3回以上契約が更新されている場合など)一定の条件を満たす労働者との契約更新を行わないことを防止するためのルールが労働契約法等で定められています。
使用者側の法人や経営者は労働者の解雇についてのルールを知り、解雇手続きには一定の時間と手順が必要であることを認識しておかなければなりません。
(※1 出所:厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」)
【参考】
労働契約の終了に関するルール 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/keiyakushuryo_rule.html

Q21.有償ボランティア、無償ボランティアとは何ですか?

NPOにとって、有給職員だけでなくボランティアも重要な人的資源です。英語の「Volunteer」という単語が「有志」や「自発的に申し出る」といった意味合いがあり、必ずしも「無償奉仕、無償労働」のことではありません。そのため、有償で活動するボランティアも多数見られます。
「有償ボランティア」の場合、活動を主催する団体がボランティアに対して交通費や宿泊費、食費といった実費程度の金銭を支給し、ボランティア活動に参加してもらうことになります。また、少額の金銭や地域通貨などを活動に対する謝礼として支払うケースも有償ボランティアと呼ばれます。
「無償ボランティア」は、交通費や食費など活動参加に要する費用の全てをボランティアが自己負担する形態です。
ボランティアといえば一般に「無償」のものを想起しがちですが、それでは時間やお金に余裕のある人しか参加できなくなってしまいます。有償ボランティアについては、活動を主催する団体の費用負担は増加しますが、参加者のすそ野の拡大につながります。併せて、支援を受ける側の「無償では気がひける」との感情を緩和し、提供するサービスの利用拡大にもつながる可能性があります。

Q22.インターンシップとは何ですか?

インターンシップとは、学生から社会人になる前に、これまで学んだ知識や経験を活かして就業経験を積むプログラムのことです。日本においては、大学が主導するものと、企業等が主体となって管理運営するものが混在しています。
文部科学省・厚生労働省・経済産業省が策定した「インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方」によれば、学生にとっては、就職活動前に実際の業界や職場を知ることでミスマッチを防ぎ、社会人の基礎スキルを身につけることができる機会となります。
企業にとっては、学生による企業等に対する理解促進や魅力の発信、実践的な人材の育成などの意義があります。その一方で、インターンシップを「無料労働力」として使い捨てる企業が増えているとの指摘もあり、今後どのようなしくみとなっていくか注目されます。
なお近年、NPOなどにおいても、インターンシップを希望する学生が増えています。受入側にとっても、将来的に活動の理解者や支援者を増やしたり、団体にないスキルやネットワークを持った人とつながる機会であり、積極的に受け入れを行うべきだと考えます。
【参考】
文部科学省・厚生労働省・経済産業省「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/intern/sanshou_kangaekata.pdf

Q23.プロボノとは何ですか?

プロボノとは、「公共善のために」を意味するラテン語「Pro Bono Publico」を語源とする言葉で、社会的な目的のために社会人経験などで得られた職業スキルや専門的知識を活かして行うボランティア活動を指します。職業として広報の経験をもつ人が、自身の知識や経験を活かしてNPOの抱える広報の課題に取り組むのがプロボノ活動の例です。
プロボノ活動では労働の対価として金銭は生じませんが、プロボノの関わりによって制作することになったWEBやパンフレットなどに対し、その費用を団体が負担することもあります。予め互いの期待値をすり合わせや、効率的な進捗管理の必要性から、NPOとプロボノの間に立って調整役を務める中間支援的な団体も複数現れてきています。
近年、プロボノの支援を受けようとする非営利団体とプロボノとして支援したい人をつなぐ中間支援NPOが増えています。また異業種でのスキルアップや人脈拡大などが見込めることから、プロボノを社員に積極的に推奨する企業もあります。営利企業と非営利団体が互いのメリットを享受しながら社会課題の解決を図る、新しい潮流のひとつといえるでしょう。
【参考】
認定NPO法人サービスグラント
http://www.servicegrant.or.jp/

Q24.NPOは人件費やコストを抑えて活動するため、実際の経済的な効果や社会的な効果を図るのが難しいのではないかと感じます。ボランティアの関わりを数値化するというのも考え方の一つということを聞きましたが、実際にはどのような方法があるのでしょうか?

NPOへのボランティアの関わりを数値化する場合、ボランティアの人数や総活動時間などを用いるケースが一般的です。しかし近年では、ボランティア活動の貨幣価値あるいは経済価値を示すという動きも見られます。
内閣府が外部シンクタンクに委託して実施した調査などの先行研究によれば、ボランティアや家事労働などの無償労働の貨幣価値を計算する方法として、大きく「機会費用法」と「代替費用法」の2種類が示されています。
このうち機会費用法は、ある個人が有給の仕事ではなく無償労働を行うことで得られなかった(得る機会を失った)賃金の額を積算して、無償労働の貨幣価値を算出する手法です。例えば時給1,500円の労働者が仕事ではなくボランティア活動に3時間従事すれば、そのボランティアの貨幣価値は4,500円ということになります。
一方、代替費用法は、ボランティアが行う無償労働について、同種のサービスを仮に有給の労働者に依頼した場合にかかる金額によって貨幣価値へ換算する手法です。
機会費用法であれば各ボランティアメンバーの賃金額、代替費用法であれば地域における業種別・職種別賃金などのデータを用いて算出することになります。
多少の作業負担は生じますが、上記のような方法によってボランティアの関わりをよりインパクトのある形で数値化し、自らの団体の活動の意義や価値をアピールしていくという視点は重要ではないでしょうか。
【参考】
内閣府経済社会研究所「無償労働の貨幣評価の調査研究」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングに委託して実施)
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sonota/satellite/roudou/contents/20090824g-unpaid.html

Q25.NPOにおいて、事業継続、事業承継、後継者育成はどうなっているのですか?

事業を継続することは事業を始めるよりも難しいといわれています。事業継続の最初のハードルは資金繰りの継続です。収入金額を超えて資金が流出する状態が続けば長期的に事業を継続することは難しくなります。次のハードルは、法人組織の次世代への承継です。活動の中心を担っていた世代も徐々に高齢化していくため、事業継続のためには組織として若返りを図っていくこと=事業承継が不可欠です。そのためには、次世代への事業承継を想定した後継者とそれを支える体制の育成を、時間をかけて行なっていくことが必要になります。事業承継がスムーズに行なわれるための前提条件は、組織の創業世代が現役のうちに事業を組織的に運営するマネジメント体制を整備しておくことです。特定の個人に頼るのではなく組織として事業を運営していく体制の基礎が備わっていないと、事業を引き継いだ次の世代が組織運営に非常に苦労することになります。
【参考】
浜銀総合研究所「NPO法人における後継者育成・確保の手引き」
https://www.yokohama-ri.co.jp/shakai_npo/pdf/tebiki.pdf

04.NPO資金の種類と資金調達方法

NPOにとって資金の獲得は永遠の課題です。

Q26.NPOの資金獲得手段にはどのようなものがありますか?

NPOの資金獲得の手段には、会費・寄付金収入、助成金・補助金収入、事業収入、借入金などが挙げられます。
ひとくちに資金といっても、団体の活動分野や事業内容、団体の規模によって必要な金額やその調達方法は異なります。会費・寄付金収入だけで運営が成り立っている団体もあれば、イベントの参加費やサービスの提供によって得られる対価で成り立っている団体もあります。
営利企業に比べて収入源が多様なこと(扱う額が多いというわけではない)がNPOの特徴の一つですが、その資金をいかに効率よく活用するかがNPOの知恵の見せどころです。以下、資金の種類別に特徴を見ていきます。

「会費・寄付金収入」は団体の目的に賛同して得られる資金のため、団体にとって活用の自由度が高いという特徴があります。その反面、使途の報告をしっかり行わなければ継続的な支援が得られないこともあります。
「助成金・補助金収入」は、資金を提供する側の意図に沿った事業を実施することで得られる資金です。助成金等を得ることで、時に団体の思惑とは違ったことをしなくてはならないこともありますが、それらを使いこなすことで団体の信用度が高まることもあります。
「事業収入」は自主事業によるもの、委託事業によるものに分けられます。自主事業の割合が高いと、団体の自立性が高まります。一方、委託事業は「助成金・補助金」と同様のメリット・デメリットがあります。

一般的に、NPOの資金獲得手段は「会費・寄付金収入」「助成金・補助金収入」「事業収入」と3つに分け、そのバランスがとれていることが良しとされていますが、実際には「会費・寄付金収入」は総収入の12.9%です。(内閣府平成27年度「特定非営利活動法人及び市民の社会貢献に関する実態調査」による)
NPOやNPO法人は、運営の自立性確保のために自治体、NPO支援機関などからの助成金・補助金、委託事業に頼るべきではないといわれることが多々あります。しかし、民間企業であっても国や自治体の公的資金(助成金、委託事業など)を活用している現状を踏まえれば、地域の経済や雇用の担い手であるNPOがそれらを活用することは決して悪いことでないと私たちは考えます。良い地域づくりにどちらに活躍してもらいたいかを国や自治体にこそ検討してほしいと願っています。

Q27.Q26以外の資金調達方法はありますか?

NPOの資金調達方法には、事業を通じて資金を得る以外にも様々な資金調達方法があります。一つは、個人や法人(金融機関等)からの借入です。そのうち金融機関からの借入については、金融機関のNPO法人に対する理解が深まっていることや新規融資先を積極的に探していることもあり、以前と比較して、借入による資金調達についても検討しやすい環境が整いつつあります。NPO法人の活動規模との親和性や地元とのネットワーク構築効果を考えると、信用金庫からの資金調達がベターではないでしょうか。 行政からの委託事業や助成金を得る方法もあります。社会的信用の獲得や一定額の資金を得られる反面、これらの資金は永続的なものではないため、委託や助成がなくなった場合の次の展開を常に準備しておくことが必要です。
一定の知名度やしっかりした会員ネットワークが組成されていれば、会費・寄附金・擬似私募債によりまとまった資金を集めることが現実的になります。
クラウドファンディングによる資金調達はプロモーション効果という意味でも魅力的です。目標額を調達するためには、話題性だけでなく地道なネットワーク形成による「応援団」となる人たちの存在と目標達成に向けたプロモーション活動などに対する助言者・伴走者が不可欠です。

Q28.ソーシャルファイナンスの種類について教えてください。

ソーシャルファイナンス(社会的金融、以下、SF)とは、地域活性化や貧困問題などの解決という社会的なリターンと、通常の金融商品と同じく経済的なリターンの両立を目的とする金融手法のことです。ノーベル平和賞を受賞して話題となったグラミン銀行によるマイクロファイナンスもSFのひとつの形であり、日本国内でよく見られるSFの種類としては、「ソーシャルレンディング」「ソーシャルインパクトボンド」などが挙げられます。
ソーシャルレンディングは、お金を貸したい個人・団体(貸し手)と起業などのために資金を求めている個人・団体(借り手)をネット上で結びつけ、資金調達を行う手法です。日本ではサービス運営団体が借り手を審査し、審査を通過した案件のみ貸し手に対して情報が提示されるケースが中心です。また、国内では社会的な活動というよりも、中小企業向け投融資の一形態として注目されることが多く、社会的な活動のための資金調達としては、似たような形態のクラウドファンディングのほうが一般的ではないでしょうか(クラウドファンディングについてはQ29参照)。
ソーシャルインパクトボンドとは、官民連携型の社会的課題の解決に向けた投資手法です。行政が投資家から集めた資金を社会的課題の解決などに取り組むNPOなどに委託し、社会的課題の解決によって削減された行政コストに応じて投資家へリターンを支払う仕組みです。英国から世界に広まり、公益財団法人日本財団が中心となり国内においても実証事業が行われています。

Q29.クラウドファンディングとは何ですか?

クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、ある志を持った人や組織が行うプロジェクトに対する資金の提供を呼びかけ、不特定多数の支援者から資金を調達する手法です。クラウドとは、「群衆(crowd)」、ファンディングは「資金調達(funding)」の意味です。
クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の有無、あるいは種類によって大きく3つに分けられます。「寄付型」は金銭的リターンのないもの、「投資型」は金銭的リターンが伴うもの、「購入型」はプロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援するものです。
なお、NPOに馴染みがある寄付型と購入型では、目標金額に達成した場合のみ支援金が挑戦者に渡るもの(All or Nothing型)と、目標金額に達しなくても集まった金額が渡るものがあります。後者は目標達成した場合よりも手数料が多く差し引かれます。現状、クラウドファンディングは日本においては黎明期であり、しくみやサービスの料金、支援メニューなど大きく変化していくでしょう。クラウドファンディング比較サイト「ランクラウド(http://runcrowd.jp)」では、主要なクラウドファンディングプラットフォームの特徴を知ることができます。興味がある方は参考にしてください。

Q30.休眠預金等活用法とは何ですか?

休眠預金等活用法(民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律)が2016年12月9日に公布されました。この法律により、10年以上資金異動のない「休眠預金等」が社会的諸課題の解決を目指す民間公益活動(子ども・若者への支援、生活困難者の支援、地域活性化等の支援)を行なうNPO法人等に対する助成・貸付等の資金として活用される見込みです。実際に休眠預金等の助成・貸付等の業務が開始されるのは2019年秋頃となる見通しですが、休眠預金等は毎年700億円程度(払戻額差し引き後)発生しており、社会的事業の事業資金源として活用されることが期待されます。
【参考】
内閣府「民間公益活動促進のための休眠預金等活用」
http://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/index.html
内閣府・金融庁「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律 説明資料」(平成29年2月))
http://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/setsumeikaisiryou/1702siryoushu.pdf

おすすめ図書

お薦め書籍は次の方々にお願いしました。
認定NPO法人市民セクターよこはまでNPOのマネジメント講座の担当をしているスタッフの薄井智洋さん。
ボランタリーエースプログラム(神奈川県委託事業)で全体監修を担当いただいている多摩大学教授の松本祐一先生。
ソーシャルビジネススタートアップ講座(横浜市委託事業)のレギュラー講師のお一人、産業能率大学の中島智人先生。
浜銀総合研究所の田中知宏さん、木鋤岳志さんは、当社設立以来、社会的企業の人材育成テキスト作成や個々のNPOや社会的企業のアドバイザーや講師として事業に参画いただいています。

認定NPO法人市民セクターよこはま
薄井智洋さんのおすすめ

01.『社員をサーフィンに行かせよう』

イヴォン・シュイナード / 2007年

環境問題にチャレンジするパタゴニアの姿勢、経営理念・社員育成。社員のモチベーションを維持しながら経営も成功させる手法とは。好きなことをブレずにやり抜くパタゴニア創業者のイヴォンに迫る。

02.『社会を動かす企画術』

小山薫堂 / 2010年

しあわせの連鎖が社会を動かす! くまもんの生みの親、無限に湧き出るアイデアと行動力のヒミツを解き明かす。日々の生活の中で、みんなを幸せにする「企画の種」の見つけ方。他人と繋がるきっかけが見えてきます。

03.『市民の日本語』

加藤哲夫 / 1992年

声が大きく、話が上手い人だけでなく、声が小さく、話が上手くなくても重要な言葉を発する人もいる。多数決だけでは、取りこぼしてしまう言葉もある。市民の新しいコミュニケーションを考えるために、市民のことばを提案する1冊です。新しい社会を作り出すために、多様なセクターとの協働を考える方にお勧め(特に行政職員)。

04.『あなたには夢がある
小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡』

ビル・ストリックランド / 2008年

夢を追い求め続ける難しさ、そして大切さ。現実と向き合い続けた著者の挑戦、スラムの子どもたちの変化を追体験することで、人生の可能性を信じ、行動し続けることの大切さに気付かされます。

05.『人を助けるとはどういうことか
本当の協力関係をつくる7つの法則』

エドガー・H・シャイン / 2009年

本書の支援とは、「押し付け」ではなく、「相手の成長につながるプロセスをともにする」という考え方。相手の自律を目的とし、相手が何を必要としているかを質問によって導き出し、一緒に答えを考えていく。支援者必読の書。

多摩大学教授
松本祐一先生のおすすめ

01.『リーン・スタートアップ』

エリック・リース、井口耕二(訳) / 2012年

最近の事業開発手法のトレンドをつくった実践的な経営書。なるべく早く計画的に失敗し、顧客から学ぶことが一番「無駄がない」創業の方法だという視点で語られる。NPOにこそ必要な姿勢。

02.『儲ける仕組みをつくる
フレームワークの教科書』

川上昌直 / 2013年

ビジネスモデルを論じる本は多いが、学術論文と著者の実践の両方が下敷きになった本書のようなものは少ない。NPOが「儲ける」ためでなく、本当の顧客価値を発見し、それをちゃんと顧客に届けるという基本に立ち返るために読んでほしい。

03.『支援のフィールドワーク
開発と福祉の現場から』

小國和子、亀井伸孝、飯嶋秀治(編) / 2011年

「支援=人を助けること」と「フィールドワーク=現場で相手と関係をつくり理解していくこと」をつなげる。NPOと現場との関わりをもう一度考え直すための本。「つき動かされる」「板ばさみになる」「ゆらぐ」「ひらかれる」等、各章のタイトルだけで読みたくなる。

04.『リーダーシップの旅
見えないもの見る』

野田智義、金井壽宏 / 2007年

リーダーシップという語りつくされたテーマについての実践者・研究者の2人が交互に語る。リーダーシップを「機能」や「結果」としてとらえることで、誰もがリーダーとして「旅」をする可能性を伝える。NPOでリーダーとなっている人に読んでもらいたい。

05.『人間とは何か』

マーク・トウェイン、中野好夫(訳) / 1973年

「トム・ソーヤー」で有名なマーク・トウェイン晩年の著作。人生に幻滅している老人と青年の対話の形で書かれており、老人は悲観的な人間観を青年につきつけ、人間は環境に支配され、自己中心的な機械にすぎないと主張する。NPOに関わるあなたはこの老人を否定できるか?

産業能率大学
中島智人先生のおすすめ

01.『マネジメントとは何か』

スティーブン P. ロビンズ / 2013年

著者は、「組織行動学」の大家。本書にちりばめられたメッセージは、人やグループのマネジメントについての膨大な研究成果に裏付けされている。マネジメントについて悩んでいるひとには、迷いを断ち切るのに役に立つ。

02.『戦略サファリ 第2版』

ヘンリー・ミンツバーグ他 / 2012年

「戦略」についての多様なアプローチを紹介。「計画的戦略」に対して「創発的戦略」という考え方が、新鮮に映るのではないだろうか。NPOらしい「戦略」とは何かを考える良い機会になる。監訳者のガイドも参考になる。

03.『ビジョナリーカンパニー』

ジェームズ C. コリンズ、ジェリー I. ポラス / 1995年

発刊以来20年以上たつベストセラー。基本的理念、価値やビジョンを持つことの大切さ、これらを日々の活動という現実とどのように折り合いをつけるか、は多くのNPOに示唆を与える。これまで読む機会のなかった人に薦めたい。

04.『組織論再入門』

野田稔 / 2005年

この本の一番の特徴は読み易いこと。難解な概念の多い「組織論」について、著者が語りながら説明してくれる。組織の構造や機能にかかわる「マクロ組織論」と、モチベーションやリーダーシップ、意思決定などの「ミクロ組織論」に分かれた入門書。

05.『完訳 7つの習慣』

スティーブン R. コヴィー / 2016年

他者だけではなく自己に対してリーダーシップを発揮するための参考書。著者は、古今東西の文献から「7つの習慣」を整理している。自己の信念を再確認し、他者との協働を通して目標達成を目指すNPOのスタッフにおすすめ。

浜銀総合研究所
田中知宏さんのおすすめ

01.『地域再生の失敗学』

飯田泰之ほか / 2016年

本書は、経営学や経済学、行政など様々な分野の専門家が著者との対談形式で地域活性化が必ずしもうまくいかない原因やこれからの必要になる視点について語っています。非常に読みやすく、まちづくりや地域活性化の領域に興味がある方のための手軽な入門書としてよいと考えます。

02.『道端の経営学
戦略は弱者に学べ』

マイケル・マッツェオほか / 2015年

ビジネススクールで教わるような経営戦略論が中小企業の経営にどのようにつながっているのか、事例を用いながら平易に解説がなされています。大企業ではなく、NPOや社会的企業の経営を考える際に有用な知見が多数掲載されていると思います。読み物としても面白い内容です。

03.『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』

山崎繭加 / 2016年

東日本大震災以後、東北地方で社会的企業が地域再生のために重要な役割を果たしていること、その動きが世界的に見ても新規性があることなどが分かります。現地視察などを行う先を検討する際の参考にもなると思います。

04.『すべては経営者次第
あなたの経営マネジメントは?』

全国介護事業者協議会 / 2013年

NPO法人などの場合、収益事業として介護保険サービスの提供など、制度ビジネスを行うケースも多いと思います。本書は主に在宅介護サービスを手掛ける際に重要な視点がコンパクトに整理されています。

05.『介護経営
介護事業成功への道しるべ
(医療経営士上級テキスト13)』

小笠原浩一 / 2010年

医療・高齢者福祉領域で活動する場合、NPOや社会的企業であっても国が進める「地域包括ケアシステム」の構築の動きと無縁ではいられません。
本書では「地域包括ケアシステム」の中で事業者がどのような経営を行うべきか、内外の実例を踏まえながら分かりやすく解説がなされています。

浜銀総合研究所
木鋤岳志さんのおすすめ

01.『ランチェスター戦略の教科書』

矢野新一 / 2011年

現実的に「使える」経営戦略理論として、ランチェスター戦略は比類なき戦略理論です。弱者(≒中小零細規模事業者)の戦いの基本は、差別化と重点特化を軸として(とにかく何でも良いので)No.1となる分野を作ることが必須であるという主張は非常に明快かつ論理的であり、その分かりやすさゆえに現実の経営に落とし込むことが可能です。本書を通じて、ランチェスター戦略の理論的な枠組みを知ることができます。

02.『小さな会社の稼ぐ技術』

栢野克己 / 2016年

中小零細組織におけるランチェスター戦略の活用・成功事例が多く紹介されている点が、本書の良さです。

03.『崖っぷち社長の逆転戦略』

古川隆 / 2011年

特定の一組織(中小零細規模)におけるランチェスター戦略を用いた経営手法を詳しく知ることができます。
※1~3はいずれもランチェスター戦略に関する書籍ですが、この順序で読んでいただくと理論を知った上で徐々に具体的な適用内容を知ることができます。

04.『V字回復の経営』

三枝匡 / 2013年

大企業を舞台とした内容の書籍です。組織マネジメントに関して非常に普遍的な内容を取り扱っています。業績不振に陥った事業の立て直しの軌跡がストーリー仕立てでまとめられており、臨場感があふれる描写にグイグイ引き込まれていきます。中規模以上の事業者向けです。

05.『中小企業のための全員営業のやり方』

辻伸一 / 2015年

組織が大きくなると組織の中で分業化が進みます。業務を効率化していくためには分業化は不可欠ですが、顧客との接点となる最前線から遠ざかってしまうメンバーが生じるという副作用も生みます。本書では顧客との接点が薄いと考えられる部門(総務・経理・研究開発等)も含めて全社一丸となって顧客に向き合い、全員で「売る」行為に取り組む事例が紹介されています。「売る」を「ミッションの追求」に置き換えれば、NPO法人にも当てはまる内容です。

06.『NPO法人における「後継者育成・確保の手引き」浜銀総合研究所 編』

浜銀総合研究所 / 2012年

平成23年度厚生労働省社会福祉推進事業の成果報告を要約したものです。多くのNPO法人において、活動の中心的役割を担っていた世代の高齢化が進む一方、次世代への活動の承継が円滑に進まないという問題が顕在化しています。本研究報告では、全国のNPO法人等への後継者育成の取り組み実態についての調査結果の掲載や、当事者であるNPO法人代表者へのインタビュー、鼎談などを所収し、難しい経営課題である後継者育成と事業承継の実行に必要となる手法について提言しています。

07.『NPO法人の設立と運営Q&A』

三木秀夫・田中祥雄・岡村英恵・中務裕之・荒木康弘・長井庸子 / 2009年

NPO法人の設立と運営に関する諸論点について、法律・登記手続・労務・会計・税務のそれぞれについて説明しています。法人運営を進めていく中で、手続き面で判断に迷うことが多々あるかと思いますが、専門家に見解・回答を確認する前に自分なりに解を得ておきたいものです。そのような際に重宝する一冊ではないかと思います。

関内イノベーションイニシアティブ株式会社
治田友香さんのおすすめ

01.『ソーシャルデザイン実践ガイド 地域の課題を解決する7つのステップ』

筧裕介 / 2013年

高齢化、育児、地域産業、コミュニティ、災害など社会の抱えるさまざまな課題をクリエイティブに解決する方法を7つのステップで解説している。事業はとかくアウトプットの良し悪しに目が行きがちですが、実はプロセスから学ぶことが多い。本書は実践者にさまざまな気づきを与えてくれます。

02.『NPOのためのマーケティング講座』

長浜洋二 / 2014年

NPOにおけるマーケティングの基本と実務をたくさんの事例とともに解説している。近年、企業のマーケティング分野の人たちが非営利セクターに関心を持つ人が増えつつあり、それらの人たちと仕事を進めるうえで必要な基礎知識を得るにも役立つ一冊。

03.『NPOの法律相談 知っておきたい基礎知識60』

BLP-Network / 2016年

法人設立、資金調達、スタッフ管理、事業拡大やトラブル対応まで、NPOの活動に関わる様々な法律問題を、NPO・ソーシャルビジネスを支援する若手の弁護士のグループがQ&A形式で解説。比較的規模の大きなNPOが対象。中間支援組織のスタッフにも手に取ってほしい。弁護士、税理士などの若い専門家のこうしたコミットメントを頼もしく感じる。

04.『社会的インパクトとは何か 社会変革のための投資・評価・事業戦略ガイド』

マーク・J・エプスタイン、クリスティ・ユーザス / 2015年

本書は、企業、NPO、投資家らが直面する5つの問い、「何を投資するのか」「どの問題に取り組むのか」「どのような手順を踏むのか」「成功はどのように測定するのか」「インパクトを大きくするにはどうすればいいのか」に基づいて構成されている。この分野は日本ではまだ事例の積み上げが浅いが、理解者や支援者を増やすためにやるべきは何かを整理するのに役立つ。

05.『NPOコンメンタール 特定非営利活動促進法の逐条解説』

堀田力、松原明他 / 1998年

NPO法人設立の手引書はいろいろと出ているが、NPO法の立法過程に触れているものは少ない。NPO法が制定されてもう少しで20年。本書は、立法過程に関わった人たちの思いを知ることができる数少ない書。これから法人を立ち上げようとする人にアドバイスする立場の士業の方や、中間支援組織のスタッフはぜひ一読してほしい。